産業用ネットワーク市場シェア2016 (HMS社統計)


産業用ネットワーク市場動向

ファクトリーオートメーション(FA)分野で2015年に新規設置されたノード数をもとに、複数の市場調査とHMS独自の販売統計に基づき、HMSが2016年の状況を推定しました。

【概略】
産業用Ethernetが以前よりも急速に成長しており、現在では市場の38%を占めるに至っています。グローバルで見た産業用Ethernetの中では、EtherNet/IPが首位にあり、PROFINETが続きます。しかしながら、従来のフィールドバスがまだまだ優勢であり、細分化された産業用ネットワーク市場の58%を占め、中でもPROFIBUSが最も広く用いられています。こうした状況に加え、IoT (Internet of Things)の広がりによってワイヤレス技術の利用も拡大しており、今回初めて統計グラフに登場しています。

HMSインダストリアルネットワークスから、今年も産業用ネットワーク市場に関する動向をご紹介いたします。HMSは、産業用通信やIoTに向けた製品・サービスの独立系サプライヤーとして、産業用ネットワーク市場の実状に即した洞察を持ち合わせています。ここでは、HMSが認識している産業用通信における2016年のトレンドの一部をご報告します。

フィールドバスはまだまだ成長中
FA分野で新たに設置されたノードをグローバルに調べると、現在もネットワークの種別としてはフィールドバスが最も広く利用され、市場の58%を占めています。その簡便さや長く使われてきた信頼感があり、フィールドバスは今なお、年間約7%の割合で成長しています。その中で優勢なのがPROFIBUS(産業用Ethernetを含む全世界市場の17%)で、これにModbus(7%)、CC-Link(6%)が追っています。

産業用Ethernetの成長は以前よりも急速で著しい
HMSの統計では、産業用Ethernetが過去数年に比べ急速に成長しており、市場シェアを拡大しています。産業用Ethernetの成長率は20%に及び、グローバル市場でのシェアは、昨年の34%に対し、現在では38%を占めるようになっています。EthernetベースのネットワークとしてEtherNet/IPが9%を占めトップ、次にPROFINET(8%)が迫ります。これにEtherCAT、Modbus-TCP、Ethernet POWERLINKが続きます。HMSのマーケティングダイレクターAnders Hanssonは、「新規設置ノードについては、確かに産業用Ethernetへの移行が加速していると言えます。しかしながら、産業オートメーション分野は、保守的な市場です。そのため、産業用Ethernetがフィールドバスを凌ぐには、もう少し時間がかかるでしょう。」と述べています。

ワイヤレスネットワークの兆し
ワイヤレス技術は、全世界の産業用ネットワーク市場の4%を占め、初めてグラフに登場しました。最も普及しているのはWLANで、これにBluetoothが続きます。「IoTが、ワイヤレス技術の広がりの大きな要因となっているとみています。ワイヤレスによって、オートメーションの設計構築に新たな可能性が拓かれ、タブレット端末やスマートフォンなどのBYOD(Bring Your Own Device, 私有デバイスの活用)を含め、機械の接続性や制御性を実現するうえで、ますますワイヤレスが検討されるようになっています。」

地域による違い
欧州や中東では、PROFIBUSが優勢なネットワークですが、最も急速な成長を見せているのはPROFINETです。これをEtherCAT、Modbus-TCP、POWERLINKが追っています。米国市場では、CIPネットワークが支配的で、市場シェアではEtherNet/IPがDeviceNetを追い越しつつあります。アジアでは、市場をリードしているという際立ったネットワークは見られませんが、PROFIBUSやPROFINET、Ethernet/IP、Modbus、CC-Linkが広く利用されています。また、EtherCATが重要なネットワークとしてのポジションを固めようとする勢いに変わりありませんが、さらにCC-Link IE Fieldの採用が始まったという兆しがみられます。

ますます多くのデバイスが接続されるように
「ここにご紹介した概要は、業界他社による見方に加え、独自の販売統計と市場認識を踏まえた当社の総合的な見解を表しています。現在、産業用Ethernetがより急速に成長していること、ワイヤレス技術が足場を固めつつあることは興味深いところです。しかしながら、何より明確であるのは、ユーザーがフィールドバスや産業用Ethernetに加え、ワイヤレスネットワークそれぞれ接続性を求めており、ネットワーク市場が細分化されたままだということです。ますます産業機器がネットワークに接続されるようになっており、これにインダストリアルIoTやインダストリー4.0などのトレンドが拍車をかけています。 “Connecting Devices”(あらゆるデバイスを接続する)という信条を長く掲げてきたHMSは、こうしたトレンドに応えながらさらに成長してまいります。」
Anders Hansson, Marketing Director